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(感想長いです!)
すごく良かった、です。
何がかといいますと、新たな文楽を見ることが叶った、ということでした。
まとめますと、
☆映像としての文楽を味わえ、
☆本来劇場で見るにはない、さまざまな角度、寄り方、で人形を見ることができ、
☆人形浄瑠璃にはないであろう人物像、役柄、性根、の人形を堪能しました。
★ただ、カメラワーク、切り取られた映像としてとても愉しめたものの、画面が切り替わった後の表情ももっと追っていたかった、もっと味わいたかった、というのもあり、やはり、そこは生が一番なのだと実感したのでした。
といった感じだったのです。
本当に、よかった。
私は、いろんな文楽を見たい。
いろんな、未開の魅力が潜在していて、そう、想っていて、だから、もどかしくて、その一端に出会えて、それが、うれしかった。
そもそも。
あそこまで、狂気じみてる、というのが愉しかったというのもあります(笑)。あれが人で演じられていたら受け付けなかったと思いますけれど。
上にある通り、浄瑠璃にはないであろう性根。
九月東京公演の「日高川入相花王」の清姫。想い人の安珍とその許婚おだ巻姫を追い、髪を振り乱し悲嘆に暮れて、嫉妬でついには蛇身となりますが、物狂おしくても危ない狂気ではなく、頽廃的でもない。やっぱりどこかに、その時代特有の、性根のまっすぐさ、純真さ、強さがあるように見えるのです(あの浄瑠璃にのるからそう感じられるのかもしれません)。
でもアオイは、頽廃的。崩れそうな自己や、芯の脆さが、平衡を失って狂気となって。
まごうことなき狂気(笑)。
私ごとながら。
絵をかくときどこか危ない顔つきが好きなのですが(耽美や狂気めいた耽美)、人形浄瑠璃の人形は、どこか凛、としていて、それは出したらだめだと。
でも、この葵上は、それが思いっきり出せると手を打ったのでした(笑)。
それから(まだある!)、映像としての文楽!
文楽のDVDは出ていますが、また見ようと思えば動画も見られてしまいますが、見てはならないと、戒めているのです。映像、という、カメラを通しての、提供されたものを見慣れてしまうと、目が楽をして、本物に対する目が衰えてしまうのではないかと。
でも、これは、もともと映像としての文楽。その技法の中の作品。
心おきなく楽しめました!!
上映後監督さんが出てきたのが予想外で、最後に、文楽は太夫、三味線、人形の総合アートでうんぬん、十二月には東京公演があります、の宣伝もされていて、いいこと仰るねぇ!と嬉しかったです。
あまりにも興奮していたので、帰り際監督さんに感想をぶつけました(笑)。
一人男性の方も、よほど良かったと見えて、感想を話していましたが、よしよし文楽こ~い文楽こ~いと後ろ姿に念じ、劇場を後にした次第でありました。
ああすっきり!
文楽については、案内書に重複する基本事項は頭にあるけれど、同じ入門書でも、語り口がちがうことや、紡がれる言葉がことなることで、「ああ」と、模糊としていた魅力の気づきや、腑に落ちる心持ちに導かれます。
この本、買ってよかったとおもったのです。それというのも。
十月に、舞踊を見に再び文楽劇場にまいります。その二日後にたまたま、見つけ(てしまっ)た「落語と文楽」(十九時開演)。
行きたい、行きたい。チケット確保。
されど中一日と当日十九時までは、何をしていましょう。新幹線代宿代を無駄にしてなるものですかっ、と悩みあぐねていました(中一日に、十月花形歌舞伎十六時開演は券予約済み)。
そこでこの本。
文楽、歌舞伎、能狂言のみならず、落語、講談、浪曲、舞踊が載っています。
これだわ! さっそく! 役に立つ!
と、勇んで検索検索。
日が合わず断念するはあったものの、結果、
一日目 昼・夜 舞踊
二日目 昼 能 夜 歌舞伎
三日目 昼 落語 夜 落語と文楽
と相成りました。
しかし安心してはいけません。チケットを、あっちゃこっちゃでネット予約したので、明日までにセブンやらローソンやらファミマやらに捕りに行かねば、いえ、取りに行かねばなりません。ちょっと、混乱している…払い済みの文楽地方公演や女流義太夫さん公演もまだ未入手…。
もうひとつ困惑ごと。探している最中、またしても文楽講演を見つけ(てしまっ)たのです。二十八日か…一週間空く…いやでも用事有り必然的に帰らねばならぬ(いっそ一週間観劇尽そうと寸での処までおもいたり)。
何も生産的なことをしていない一日ですが、これだけで、なんとも充溢した一日なのでありました。
に行ってきました。演目は「鬼一法眼三略巻」、「隅田川続俤 浄瑠璃双面水照月」。
歌舞伎座で観る歌舞伎はどれくらいぶりでしょうか。
研修生歌舞伎や袴歌舞伎(というものを初めて知りました)は先々月と先月に。
かいつまんで感想。
役者さんといい舞台といい台詞の調子といい、馴染んでくるとなんと気持ちのいいことかと、思いながら。衣裳も綺麗だわぁ目にも気持ちがいいわぁ。
隅田川の、可笑しみ交じりの、頓狂で華やかで見せ場もある、長丁場の演目。
基準が、文楽(その上日が浅い)なので、悲劇ならぬ喜劇風味を延々とというのも目新しくて。
最後、常磐津と義太夫が下手上手に並んで掛けあっていくのが、魅力的に映りました。もンのすンごく贅沢な気がしたのです。
しかし義太夫節が耳に入ると人形浄瑠璃見る体勢に入る。ほんとに(笑)。
妄想
双面水照月を見て、二人の女形(?)が同じ姿で踊る。衣裳が本当にはんなりと薫るようで、いいなぁいいなぁと、それから想い講じて、人形浄瑠璃に、三番叟のような、女形がただ舞うだけの演目ってないのかしらと思ったのでした。
二人だけじゃなくて、四人くらい揃って踊ったら……見たい! 配役なんて考えたりしてしまう止まらない!
歌舞伎は、豪華な前置きでありまして、その後のお茶会が、主眼で。
何もいいませぬ。
ただ、心に、浮き残った心情が、わたしにとって、いたくいたく、切実だと、それが、また、標でもあるのだろうと。
あと、やっぱりいろんな人に出会えるってうれしい! 上記とは別に、新しい境地が拓かれた(笑)。
文楽に出逢えてよかった。
文楽/文化/着物/本読み/落書きすること
●画の影響・養分●
文楽/江戸川乱歩/宝塚/歌舞伎/日舞/着物/和装/沢田研二/抒情画・挿絵(高畠華宵、小林嘉一、小村雪岱他)/水彩画(永山裕子、醍醐芳晴他)/漫画(由貴香織里、立川めぐみ、竹内直子他)/ネットで出逢う絵描きさん達